不妊治療にかかるお金は平均140万円とも言われています。
長期治療になる可能性が高く、保険適用外の治療が高額になってしまいますが、新潟県各自治体が行う不妊治療助成制度・不育症治療費助成制度はどのようになっているかをまとめてみました。
新潟県が行う取り組み
※新潟県が行う助成は、対象となる治療が保険適用となったため令和4年で終了しています。
後半にご紹介する各自治体の内容を参考にしてください。
参考:新潟県ホームページ
不妊治療・不育治療を行う方へ、新潟県ではこのような助成を行っています。
対象となる治療
特定不妊治療:体外受精、顕微授精、凍結胚移植 男性不妊治療(検査費用、凍結された精子、卵子、受精胚の管理料)は対象外。
対象者
- 特定不妊治療(凍結胚移植を含む体外受精及び顕微授精)を受けた法律上の婚姻関係にある夫婦であること
- 特定不妊治療以外の治療法によっては、妊娠の見込みがないまたは極めて少ないと医師に診断された方
- 夫または妻のいずれか両方が新潟県内に居住している方
対象外となる人
国の制度改正により平成28年4月1日以降から申請対象外となった人はこちら。
- 平成27年度までに6回以上または通算5年度の助成を受けている方
- 1回目の申請に係る治療の開始日時点で妻の年齢が40歳以上である方で、平成27年度までにすでに3回以上の助成を受けている方
- 治療の開始日時点で妻の年齢が43歳以上の方
助成額や回数
助成金は所得合計額や年齢によって違いがあります。基本的な金額や回数は国が定めたものと変わりませんが、1年の間に治療が終了したものについては5万円が上乗せされて助成されるようになっています。
■730万円未満の所得の方
初回申請時の妻の年齢が40歳未満…43歳になるまで通算6回まで
初回申請時の妻の年齢が40歳以上…43歳になるまで通算3回まで
助成金の金額
- 1回の治療につき15万円(治療区分C及びFは7万5千円)まで 。
- 初回の申請に係る治療開始日から1年の間に治療が終了したものについては5万円(治療区分Bは10万円)を上乗せして助成。
- 初回は30万円までですが、これに対する上乗せはなし。
男性不妊治療の精子を精巣又は精巣上体から採取するための手術を行った場合は、1.2のほか、1回の治療につき15万円まで助成。(治療区分Cを除く。)
助成金を受け取るまでの流れ
※自治体HPをご確認ください。
助成金の申請は新潟県とお住まいの自治体それぞれに申請することになります。
- 新潟県の窓口に国へ申請する
- 国から助成金を受け取るための受診証明書を指定病院に書いてもらう
- 約2ヶ月後に助成金を受け取る
- 受け取った助成金を差し引いた金額を自治体に申請する
- 1~2ヶ月後に自治体から助成金を受け取る
まずは県に窓口が置いてある国へ申請をし、その後自治体に申請をするという流れになります。
例)35歳女性が初めて体外受精に50万円の費用を支払い、国と自治体からそれぞれ15万円の助成金を受け取る場合。
体外受精費用50万円ー国からの助成金15万円=35万円
35万円ー自治体からの助成金15万円=20万円
これにより、自己負担金は実質20万円になります。
新潟県指定の医療機関一覧※現在はなし
※現在、指定等ありません。
・新潟市…源川産婦人科クリニック、木戸病院、ロイヤルハートクリニック、荒川大桃エンゼルマザークリニック、新潟大学医歯学総合病院、済生会新潟第二病院、新津産科婦人科クリニック
・新発田市…関塚医院
・三条市…レディスクリニック石黒
・長岡市…立川綜合病院生殖医療センター、セントポーリアウィメンズクリニック、長岡レディースクリニック
・上越市…大島クリニック、新潟県厚生連上越総合病院、菅谷ウイメンズクリニック
新潟県20市6町4村が行う取り組み
新潟市
■不妊治療助成
自己負担額の2分の1(保険診療で受けた不妊治療は1年度あたり上限4万円、保険診療と併用した先進医療は1年度あたり上限3万円)所得制限なし
■不育治療助成
自己負担額の2分の1(上限10万円)回数の制限なし
■相談窓口:新潟市HP
長岡市
■不妊治療助成
県事業に準ずる
■不育治療助成
■相談窓口:長岡市HP
小千谷市
■不妊治療助成
1年度あたり上限20万円、1年度あたり2回まで
■不育治療助成
1年度あたり上限20万円、1年度あたり2回まで
■相談窓口:小千谷市HP
見附市
■不妊治療助成
1回8万円(上限額)を助成、1子につき6回まで
■不育治療助成
自己負担額のうち一部負担金を除いた2分の1を助成、1治療が終わるまで
■相談窓口:見附市HP
出雲崎町
■不妊治療助成
1回の上限20万円、通算10回まで助成
■不育治療助成
1回の上限20万円、通算10回まで助成
■相談窓口:出雲崎町HP
柏崎市
■不妊治療助成
自己負担額の3分の2の額(1回10万円が上限)、不妊治療の開始から出産までの間で6回まで
■不育治療助成
1回の治療期間につき、自己負担額の2分の1(上限10万円)
■相談窓口:柏崎市HP
刈羽村
■不妊治療助成
・タイミング療法・人工授精・薬物療法
妻の年齢が30歳未満の場合:自己負担額全額助成
妻の年齢が30歳以上45歳未満の場合:1年度につき上限10万円
・体外受精・顕微授精・男性不妊治療
妻の年齢が30歳未満の場合:自己負担額全額助成
妻の年齢が30歳以上43歳未満の場合:1回につき上限15万円
妻の年齢が43歳以上45歳未満の場合:1回につき上限10万円
■不育治療助成
1回につき上限10万円
■相談窓口:刈羽村HP
三条市
■不妊治療助成
・特定不妊治療費及び一般不妊治療:医療保険適用後の自己負担額の全額
・先進医療:1年度につき上限15万円まで
■不育治療助成
・特定不妊治療費及び一般不妊治療:医療保険適用後の自己負担額の全額
・先進医療:1年度につき上限15万円まで
■相談窓口:三条市HP
加茂市
■不妊治療助成
1年度あたり上限50万円
■不育治療助成
1回の治療期間につき上限20万円まで助成、1年度につき1回まで(通算の回数制限なし)
■相談窓口:加茂市HP
燕市
■不妊治療助成
不妊治療に係る保険診療の自己負担額の全額
先進医療にかかる自己負担額の全額
回数制限なし
■不育治療助成
1回の治療期間につき、自己負担額の全額(上限 20万円)、回数制限なし
■相談窓口:燕市HP
弥彦村
■不妊治療助成
対象経費の全額(夫婦それぞれ年度内助成総額50万円まで)
■不育治療助成
対象経費の自己負担額の2分の1(1回の治療期間につき10万円を上限)
■相談窓口:弥彦村HP
田上町
■不妊治療助成
自己負担額の2分の1、1年度につき1回まで
一般不妊治療:上限2万円
特定不妊治療:上限4万円
■不育治療助成
■相談窓口:田上町HP
五泉市
■不妊治療助成
・特定不妊治療
1回の治療につき15万円上限
・一般不妊治療
1年度に1回の申請(治療回数問わず)
治療費の1/2を助成
・男性不妊治療
1回の治療につき15万円助成
■不育治療助成
1回の治療につき10万円を上限に1年度あたり2回まで
■相談窓口:五泉市HP
阿賀町
■不妊治療助成
助成対象治療にかかる費用の自己負担額全額(1年度あたり1人上限100万円)
■不育治療助成
助成対象治療にかかる費用の自己負担額全額(1年度あたり上限10万円 通算5年度まで)
■相談窓口:阿賀町HP
上越市
■不妊不育治療助成
治療内容により、2分の1〜10分の10までの金額を助成(上限10万円)、回数は無制限または交付の対象となる治療に要した期間の初日が属する年度につき1回
■相談窓口:上越市HP
妙高市
■不妊治療助成
・一般不妊治療:かかる費用の自己負担額の2分の1(上限10万円)、1年度に1回まで
・生殖補助医療:1回あたりの自己負担額の10分の10(上限10万円)、回数制限なし
■不育治療助成
■相談窓口:妙高市HP
魚沼市
■不妊治療助成
一般不妊治療:1年度1回5万円を上限に通算5年度まで
生殖補助医療:1回の治療につき15万円を上限に通算6回まで
■不育治療助成
■相談窓口:魚沼市HP
南魚沼市
■不妊治療助成
・一般不妊治療:各治療につき130,000円(消費税込)を上限、1子につき各治療1回(年間制限なし)
・特定不妊治療:1回の治療につき130,000円(消費税込)を上限、
夫婦1組に対して1子当たり通算6回(年間制限なし)
■不育治療助成
■相談窓口:南魚沼市HP
湯沢町
■不妊治療助成
1回の治療にかかる自己負担額から5万円を控除した額の2分の1
(1回につき10万円を上限)、夫婦1組につき通算5年 1年度あたり2回
■不育治療助成
■相談窓口:湯沢町HP
津南町
■不妊治療助成
・生殖補助医療:1回の治療につき保険適用額の自己負担額のうち10万円
・一般不妊治療:年度内に治療を要した保険適用額の自己負担額のうち5万円を上限
夫婦1組につき通算5年
■不育治療助成
■相談窓口:津南町HP
佐渡市
■不妊不育治療助成
10万円を上限とし、対象経費の2分の1を助成
■相談窓口:佐渡市HP
村上市
■不妊治療助成
3分の2を助成(上限20万円)、1年度につき1回(通算の助成回数に制限なし)
■不育治療助成
■相談窓口:村上市HP
関川村
■不妊不育治療助成
・治療費 :自己負担額の2分の3(上限30万円/年度)
・通院費 :自己負担額の2分の1(上限1万円/年度)
・宿泊費 :自己負担額の2分の1(上限5千円/年度)
■相談窓口:関川村HP
粟島浦村
■不妊治療助成
1回につき20万円、夫婦1組につき5回を上限とし、1会計年度当たり1回、
■不育治療助成
■相談窓口:粟島浦村HP
新発田市
■不妊治療助成
2分の1を助成、1年度につき1回、10万円を限度に通算5年間
■不育治療助成
2分の1を助成、1年度につき1回、10万円を限度に通算5年間
■相談窓口:新発田市HP
阿賀野市
■不妊治療助成
1治療当たり15万円が限度、子ども1人につき6回まで
■不育治療助成
1治療当たり10万円が限度、1夫婦5回まで
■相談窓口:阿賀野市HP
胎内市
■不妊治療助成
・生殖補助医療(体外受精、顕微授精):年度あたり上限15万円
・一般不妊治療(タイミング法、人工授精など):年度あたり8万円
■不育治療助成
不育症治療:年度あたり上限10万円
■相談窓口:胎内市HP
聖籠町
■不妊治療助成
1年度あたり15万円まで
■不育治療助成
■相談窓口:聖籠町HP
(2025年7月調べ) 各自治体によって内容が異なります。助成対象や金額、条件にも違いがあるので注意。詳しくはお住まいの自治体へお問い合わせください。
助成金を受け取るための注意点
次の点に注意をしましょう。
- 治療を開始する年齢に注意
- 指定医療機関を利用すること
- 治療費の領収書をしっかりと保管する
- 治療の終了後すみやかに申請を行う(年度末の3月31日まで)
不妊治療の治療費をできる限り抑えるには
申請をしてから助成金を受け取るまで数ヶ月かかるため、病院の窓口での自己負担はまぬがれません。
不妊治療費を少しでも負担を抑えて治療を行うためのポイントはこちら。
- 早期に検査や治療を行う
- 最初の検査はできる限り夫婦そろって行く
- 保険が適用される範囲での治療も視野に入れてみる
- 治療方針や費用について医師とよく相談をする
- 早期に高度医療の治療へステップアップしてみる
- 確定申告を行い還付金を受け取る
その人の年齢や体調、妊娠に対する方針によって治療は大きく変わります。
一般的な不妊治療(タイミング法など)のみで治療を行うなど、保険の適用範囲内と決めることもできます。
医師とよく相談をしてみましょう。
まとめ
新潟県で不妊・不育治療を行った場合に受け取れる助成金についてまとめましたが、その自治体によって上乗せで受け取れる金額が大きく違うことがわかりました。
これまでの不妊治療助成に加えて、不育治療助成を開始した自治体が多く見られたのもひとつの特徴です。
詳しい内容はお住まいの管轄にお問い合わせください。