先日訪れた「摂田屋6番街発酵ミュージアム 米蔵」で気になっていた「機那(きな)サフラン酒」を摂田屋のおみやげとして買ってみたんです。
歴史的建造物として摂田屋の観光名所となっている「旧機那サフラン酒本舗」の存在は知りつつも、これを飲んだことはありませんでした。
そもそもこれはお酒なの?という所ですけど、かつては薬用酒として販売されていたんだとか。薬用酒といえばそう。養命酒がありますよね。
なんとこの機那サフラン酒は、かつて養命酒と人気を二分していたんだそう。
それも爆発的人気があり、「東のサフラン酒、西の養命酒」ともいわれていたんですって。この機那サフラン酒の歴史をたどるとなんとも面白いことだらけ!
飲んでみた味の感想の前に、ちょっとだけ小話を。
機那サフラン酒とは?
機那サフラン酒は、今現在リキュール酒として販売されているお酒です。かつて薬用酒として製造販売していたのが、吉澤仁太郎という人物。
21歳のときに機那サフラン酒を開発して以来、豪快な商法でとにかく売りまくって一代で財を成した凄い人なんだそうです。
飛行機からビラを撒いた、自作自演で「これを飲んだら治った!」といった武勇伝(笑)が色々あるようで非常に興味深い方だなと思いました。
摂田屋の豪商といえば、吉澤仁太郎。こう覚えておけば間違いないようです。
機那って何?
アルコール分は14%。材料にはハチミツ、タイソウ、チョウジ、ケイヒ、カンゾウ、サフランといった漢方にも用いられるようなものが入っているようです。
薬用酒として販売していた当時の効能としては、疲労回復、滋養強壮、月経不順や冷え性といったものに効果があるとされていたようですね。
で、「機那(きな)」って何なの?と気になりませんか?これについて「file-131 長岡・摂田屋の時空を超えるワンダーランド(前編)」にはこう書いてありました。
「機那は、マラリアの特効薬の原料になるキナという木の当て字。キナはサフラン同様、明治時代にはたいへん高価な薬種でした。漢方の薬酒に舶来のサフランとキナを組み合わせることで、新しさとありがたさを強調し、注目度を上げようとしたのでは。資料が残っていないので推測です」
キナという木があったそうで、その当て字が「機那」。
憶測とはいえ、吉澤氏のご子息がおっしゃるなら「そうなのかも」と思いますね。しかし変わったお名前です。
新潟銘醸が製造販売
個人的にあれ?と思ったのがここ。機那サフラン酒は長岡で製造していない。それも小千谷市の長者盛で有名な「新潟銘醸」さんが製造販売しています!
小千谷市から摂田屋に行った私にとってこれは目からウロコの情報!
新潟銘醸の初代社長こそ吉澤仁太郎氏で、機那サフラン酒とともに日本酒の製造も本格参入。その際に、今の小千谷市にあった中野醸造を吸収して新潟銘醸の拠点にしたのだそうです。
機那サフラン酒の味
小話が長くなってしまいました。
さてさて、機那サフラン酒の味をお伝えします。
見た目はサフランライスのイメージ通り、綺麗なきいろです!香りはふわっと甘く、ほのかに薬草のような…?
味は、想像以上に甘めです。
かぜ薬のシロップみたいかな?と若干不安になったんですけど、想像以上に美味しい。
お酒っぽさもなく、懐かしいこの味わい。うーん、表現が難しいですねえ。
おすすめの飲み方を参考にして、炭酸水とレモン汁で割ってみました。
全体的に黄色いきれいな色に!機那サフラン酒は色が美しい。
甘めのシュワシュワしたサワーっぽくなり、これはゴクゴク飲めてしまいますー。美味しい~。
この後、お湯割りにして飲んでみましたけど、これは体が温まる!
冬ならお湯割りですね。
ほんの少量で割る程度でもホカホカになりました。
新潟の寒い冬は機那サフラン酒で温まる。
これは良い飲み方を覚えてしまいましたね。病みつきになりそう。
みなさんも体が温まる機那サフラン酒を、よかったら味わってみてください。
■新潟銘醸 株式会社 | 新潟・小千谷の酒 長者盛・越の寒中梅・冬将軍
参考:幻の薬用酒「サフラン酒」を求めて長岡へ。創業者が財を投じた「日本一の鏝絵 (こてえ) 蔵」も必見 | 中川政七商店の読みもの
https://niigatalife.com/2020/12/04/6subi/
https://niigatalife.com/2023/10/17/kinasafuranshu-seizouhonpo/